投資ノート

【悲観ケースの検証】不況の時に高配当株ETF (VYM) を積み立てで買いはじめるとどうなるか

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現在のような不況がはじまりそうな時に、株を買うのは怖いですよね。特に個別銘柄を怖く感じます。それぞれのセクターがどのような値動きをするかが、さっぱり読めないので。

だからといって、株式市場から距離をおいてしまうのも、正しいとは言えないと思います。なぜなら、株価が下がっていく時こそ、買いのチャンスであるはずだから。

しかし、どこが一番の買い時なのかは、誰にも分かりません。神のみぞ知る。

だからこんな時、ボクのような初心者は個別銘柄ではなく、ETFのようにしっかりと分散されたものを、毎月のように一定の頻度でコツコツと積み立てで買い増していくことがセオリーとなります。

そこで、不況が始まるタイミングでETFを積み立てで買っていくとどうなるか、検証してみました。

検証に使ったのは、「Vanguard High Dividend Yield ETF (VYM) バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)」という商品です。大型株を中心に、複数の米国高配当株式から構成されるETFで、しっかり分散されているものです。

こういったETFを買うことで、分散・積み立てでリスクをおさえつつ、配当までもらえたら、悪い話ではないでしょう。

それが実際どのようになるのか、過去の不況の代表例であるリーマンショックの時を事例に検証していきます。

VYMの株価推移

まず、VYMの株価の変遷をみてみましょう。

このETFの設定日は2006/11/10ですので、それ以降のデータとなります。

VYM価格推移2006-2020

Yahoo Financeデータ

2006年の設定日以来、2020年現在、約2倍弱と価格を伸ばしています。

しかしながら、2008年から2009年のリーマンショックの時の値崩れが目立ちますね。

2007年秋をピークに、2008年から2009年のリーマンショックで大きく値崩れし、それから2013年春まで約5年半をかけて価格を戻していたことが分かります。

VYMの配当と利回りの推移

配当と利回りはどうだったかというと、以下の通りです。

VYM配当金と利回りの推移

臆病くまさん試算

株価が上がっていくのと合わせて、配当金額も右肩上がりでした。

それによって、利回りはだいたい3%前後を推移しています。

ただここでも、リーマンショック時に配当金額が目減りして減配とされていることに要注目です。

2007年12月の配当金が0.45ドルであったのに対して、2010年3月の配当金は0.23ドルでした。ということは、ピーク時の51%相当なので、配当金は不況時に約半額になったということです。

これからもし不況が来るとしたら、配当金が今の金額から半減してしまう可能性があると推察することができます。

もちろん配当金は強力な味方ですが、積み立て自体も効果的な買い方ですので、それがどのような結果をもたらすか、見ていきましょう。

2007年秋ピーク時から積み立て購入するケースの試算

ここでいよいよ、2007年秋のピーク時から積み立て購入をはじめるケースの試算をしてみます。

ピークで買い始めて以降はひたすら暴落の一途を辿るわけですから、相当の精神修行が必要となります。それでもコツコツと買い続けていくことが積み立ての極意。

それではやってみましょう。

まず、ピーク時は2007年10月9日の55.66ドルでしたので、それ以降、毎月はじめに1000ドルずつ買っていくものとします。1000ドルは、1ドル110円とするとだいたい11万円です。

なおこの際、購入手数料は無視します。また、毎月1000ドルなんて投資できないよ!という方は、ゼロをひとつとって、毎月100ドルを投資していたと仮定してください。金額の大きさではなく、積み立ての効果がいつからではじめるのか?という点に着目いただきたいと思います。

株価の推移と、購入口数

まず、株価の推移と、毎月1000ドルで購入できる口数を表します。

VYM株価推移と1000ドルで買える口数

臆病くまさん試算

株価(折れ線グラフ)が下がれば、1000ドルで買える口数(棒グラフ)は多くなりますが、その後で株価が上がっていけば、同じ1000ドルで買える口数は少なくなります。

ここまではオッケーですね?

累計支払額の推移

次に、毎月ポケットから1000ドルが出ていくわけですが、その支払額がどのように膨らんでいくか、見てみましょう。

VYM累計支払額

毎月、1000ドルずつが膨らんでいく、右肩上がりの一直線。当たり前ですね。

保有口数の時価総額

上で毎月の購入口数を示しましたが、それは雪だるま式にふくらんでいきます。

VYM累計口数

臆病くまさん試算

そして、その累計口数をその時点での株価とかけてあげれば、毎月の時価総額がどのように増えていくかが分かります。

VYM株価推移と時価総額

臆病くまさん試算

こんな感じで、株価(折れ線グラフ)が下がっている時には保有口数の時価総額(棒グラフ)は伸び悩むのですが、購入口数は増えているので、株価が上がりはじめると同時に、保有口数の時価総額がぐいぐいと上がっていきます。

累計支払額と保有口数の時価総額の比較

で、ついに一番大事なことを示します。

毎月1000ドルずつ支払っていくその累計支払額と、保有口数の時価総額とを重ね合わせてみましょう。

すると、

VYM累計支払額と時価総額

臆病くまさん試算

このように、2007年から2008年へと株価が下がっている時には、買えども買えども、時価総額(赤色)は累計支払額(青色)に負け続けます。

なんで負けているのに買い続けなければいけないんだ!と、自暴自棄になるかもしれません。

しかし、実はその時、株価が安いからこそ、口数をいつもより多く仕込んでおくことができているのです。

そして、株価が上がりはじめた時に、その多くためた口数がようやく効力を発揮しはじめます。

株価自体は2009年から上がりはじめるのですが、なんと2010年秋には時価総額が、これまで支払ってきた累計金額を上回りはじめるのです。

そしてそのあとは、株価の上昇に合わせて、どんどんと差をつけていきます。

これが長期・積み立てのパワーということです。

2007年秋のピークで買い始め、そのあとしばらく不況に見舞われていても、我慢して積み立てを継続していけば、2010年秋、つまり3年後には負けをすべて取り戻すことができるというわけです。そしてその後は含み益が増え続け、高笑いが止まらない状況に入っていきます。

肝は、株価が下がっている局面でも、積み立て購入を続けて保有口数を増やしていくことで、上昇相場でその威力を発揮するということです。

ついつい私たちは株価にばかり意識をとられてしまいがちですが、どれだけ多くの数の株、口数を持っているか、ということが大事であるということを教えてくれます。

積み立てのパワーは、不況でこそ発揮する

やはり積み立てのパワーはすごいですね。

株価が下がれば購入できる口数が増えますので、不況の時こそ、そのパワーを発揮することが分かりました。

しかも、ここに配当が乗ってきますから、それを再投資に回して購入口数を増やしていけば、3年よりももっと短い期間で負けを取り戻し、含み益を稼いでいくことができるでしょう。

今のように不況の足音が聞こえている時であっても、購入に躊躇せず、逆に過信せず、コツコツと定期的に積み立てを続けていくことが大切であることが分かりますね。

ボクもこれからしばらくはETFを毎月積み立てで購入していくこととします。

こうやって自分で計算してみると、身に染みて分かりますね。

あーー、過去数週間の失敗を取り戻したい。。。